【展覧会】旅する福沢一郎 vol.1 写真と素描でたどる『アマゾンからメキシコへ』 5/12 – 6/4


このたび、福沢一郎記念館(世田谷)では、展覧会「旅する福沢一郎 vol.1 写真と素描でたどる『アマゾンからメキシコへ』」を開催いたします。

 福沢一郎は旅する画家でした。若い頃から国内外のさまざまな土地へでかけ、地元の人々の生活や祭礼、史跡なども興味深く観察し、制作の糧にしていました。とはいっても、旅先の風景や人物などをそのまま描くのではなく、それぞれの土地で得たさまざまな印象と、貪欲に吸収した知識、それらをもとに積み重ねた思考によって、もっと大きなテーマ、たとえば人間のいのちの力強さや社会のダイナミズムなどへと昇華させていきました。

 特に1953-54年の中南米の旅は、彼の制作に強い影響を与え、大きな転換点となったのです。このとき助けとなったのが写真でした。これらの中には、ただ現地のようすを記録するだけでなく、写真としての表現にも挑んでいるようなものが多くあり、画家の興味を知るうえでとても貴重なものです。

 帰国後、これらの写真をふんだんに盛り込んだ紀行文集『アマゾンからメキシコへ』(読売新聞社、1954年)が刊行され、大きな話題となりました。

 今回の展示は『アマゾンからメキシコへ』の記述と、写真やスケッチなどの小品をもとに、彼の中南米の旅のようすに迫る試みです。この機会にぜひご覧ください。

◎この展覧会は、令和2年度 公益財団法人ポーラ美術振興財団助成 「長谷川三郎と福沢一郎の写真に関する調査研究」の成果の一部を 使用し構成しています。

《アマゾン》1954年頃 水彩・紙
物売りの老婆 メリダ(メキシコ) 1954年
《メキシコの母子(Ⅰ)》1954年 インク、水彩・紙

会 期:2022年5月12日(木)―6月4日(土)の
    木・金・土曜日 13:00 -17:00(入館は16:30まで)
観覧料:300円


※ 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、ご来館時にはマスクをご着用ください。みなさまのご協力をお願いいたします。


【展覧会】「CURIOUSな実験。福沢一郎<素描>の魅力」展 会場風景

展覧会 「CURIOUSな実験。福沢一郎<素描>の魅力」展 の会場風景をご紹介します。

 

2013a_01

2013a_02

大きな青森ヒバの壁には、1980年頃に集中して制作された「失楽園」の悪魔のシリーズを展示しました。どれもかなり大きな作品なので、迫力満点です。右奥には《楽園から逃亡する動物たち》という、珍しく動物だけを描いた作品があります。またその右隣には、これまた珍しい水彩の《レダ》を展示してみました。

 

2013a_03

2013a_04

2013a_05

2013a_08

今回は解説パネルやキャプションをほとんど掲示していませんが、この一角だけは唯一解説パネルをつけております。1951年頃に制作された「バレエのコスチューム」についてです。戦後日本のバレエ界を牽引した服部・島田バレエ団の1952年(昭和27年)新春公演のために福沢が描いたとされるデザイン画が2点展示されているので、それらについて簡単にふれてみました。10月30日(水)の、神奈川県立近代美術館学芸員 西澤晴美さんの講演会では、そこのところをもっと詳しくうかがうことができるはずです。

 

2013a_07

2013a_06

   *   *   *   *   *

すでに書きましたとおり、今回は解説パネルは1点のみ、作品キャプションはつけておりません。ただ、作品の配置とデータがわかるパンフレットを会場にて配布しております。それを片手にご覧いただければ幸いです。

福沢一郎記念館は、展覧会会期中の月、水、金の開館となります。11月4日(月)は祝日ですが開館いたします。
皆様のお越しをお待ちしております。
展覧会詳細は、→こちらから。

【展覧会】「CURIOUSな実験。福沢一郎<素描>の魅力」展 10/16 – 12/2, 2013

miss_seizon_s
《バレエのコスチューム(ミス生存)》1951年頃



このたび、福沢一郎記念館では、秋の展覧会として「CURIOUSな実験。福沢一郎<素描>の魅力」を開催いたします。

約65年に及ぶ絵画制作のなかで、福沢一郎は非常に多岐にわたる主題に取り組み、そのつど多彩な絵画世界を生み出してきました。その原動力は、つねに変わることなく画家の内にあった、人間や社会への旺盛な「好奇心」であるといえましょう。

福沢の「好奇心」とは、鋭い観察力と豊富な智識に裏付けされており、あるときは冷徹に、あるときは諧謔味たっぷりに、人間の存在や社会のありようを暴きだしてゆきます。今回はそうした画家の「好奇心=CURIOUS」をキーワードに、イメージの源泉ともいうべき素描の世界を探ってみたいと思います。
今回は、山村の風景やモデルの男など、いかにもオーソドックスな素描から、バレエのコスチューム原画、勢いのよい曲線を活かした人物画、ユーモアたっぷりの諷刺画、そして本画と見まごうばかりの重厚な悪魔の図など、未発表作品を含む計32点を展示します。画家にとって紙の上はまさにイメージの実験場。福沢一郎はどのような「CURIOUSな実験」を展開していったのでしょう。たかが素描と侮るなかれ。湧き出すイメージの魅力を、きっとお楽しみいただけると思います。

主な出品作:
《バレエのコスチューム(ミス生存)》1951年頃 鉛筆、水彩・紙 (上図)

zxx_44
《ノー・モア・ウォー》 1951年 鉛筆、水彩・紙

zxx_09
《失楽園 悪魔 エチュウド》 1980年 アクリル、水彩・紙

zxx_16
《人物素描》 1953年 油彩 ボールペン・紙

zxx_06
《オーストラリヤにて》 1967年 コンテ、水彩・紙

zxx_27
《政治家地獄 叙勲は高く高く 納税は低く低く》 制作年不明 ボールペン・紙


会 期:2013年10月16日(水)〜12月2日(月)11:00-17:00 月・水・金開館
※ 11月4日(月)は祝日ですが開館します。
入館料:300円

※講演会開催のお知らせ
「舞台と美術家 —福沢一郎のバレエ美術を一例として」
講師:西澤晴美氏(神奈川県立近代美術館 学芸員)
日時:10月30日(水) 14:00〜15:30
場所:福沢一郎記念館
会費:1,500円
※要予約(電話またはFAXにて/先着40名様)

<お問い合わせ:お申し込みはこちらまで>
TEL. 03-3415-3405 / FAX. 03-3416-1166