【展覧会】 福沢一郎 face 展 10/17-12/3, 2012

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《スペイン・ラプソディー》1955年
多摩美術大学美術館蔵


《煽動者》1931年 福沢一郎記念館蔵

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《顔(2)》1982年
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館蔵



このたび、福沢一郎記念館では、秋の展覧会として「福沢一郎 face」展を開催いたします。

画業のなかで一貫して骨太な力強い人間像を描いた福沢一郎ですが、それら人間像の「顔」について語られることは、これまでほとんどありませんでした。今回は、人間を描くにあたってとりわけ重要な意味をもつ顔というモチーフに、福沢がどのように取り組んだのかを、さまざまな年代の作品により探ってみたいと思います。

多くの画家と同様、福沢一郎の描く顔にもいくつかの特徴があります。まず鼻が強い輪郭線や色彩で強調され、そのまわりにやや控えめに目と口が配置され、中央付近に意識が集中した描き方となっています。こうした特徴は、初期の作品を除き年代に関係なくあらわれるので、顔を描くときの彼の意識が生涯を通じて大きく変わらなかったことを示しています。それは彼の考える普遍的な「人間像」がぶれることなく保たれたことのあらわれでもあり、人間への興味や批判精神を持ち続けた彼の視線を我々に印象づけるものです。
また彼の中でさまざまな変化をみせた主題や造形への興味が、そうした顔の特徴を含みつつ、どのように人間の表現へとつながっていったのかは、彼の画業を検証するうえでたいへん重要なことと考えられます。

今回は最初期の作品《ブルターニュの女》(1927年)から最晩年の《ラファエル》(1991年)まで、油彩、アクリル、そして素描も含めた多彩な16点の作品を展示します。福沢一郎の「顔」に秘められた人間への思いを、会場で感じ取っていただければ幸いです。
この機会に、ぜひお出かけください。

主な出品作:
《ブルターニュの女》1927年 油彩
《煽動者》1931年 油彩
《スペイン・ラプソディー》1955年 油彩 多摩美術大学美術館蔵
《顔(2)》1982年 アクリル 富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館蔵
《ラファエル》1991年 アクリル
《内村鑑三》《新島襄》などの挿絵・素描6点

会 期:2012年10月17日(水)〜12月3日(月)11:00-17:00 月・水・金開館
※ 11月23日(金)は祝日ですが開館します。
入館料:300円


※講演会開催のお知らせ

「『形』と色彩の競演 − 福沢絵画の造形性」
講師:小林俊介氏(山形大学 地域教育文化学部 准教授)
日時:10月31日(水) 14:00〜15:30
場所:福沢一郎記念館
会費:1,500円
※要予約/先着40名様(FAXも可)

<お問い合わせ:お申し込みはこちらまで>
TEL. 03-3415-3405 / FAX. 03-3416-1166