【作品】 智恵と勇気と / Wisdom and Courage 1932年

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題名/title: 《智恵と勇気と》/ Wisdom and Courage
制作年
/date:
1932年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 112.0×162.0㎝?
所蔵
/collection
(所在不明)
Unknown
  第2回独立美術協会展出品作のひとつ。転がった馬の尻とともに、爆弾の設計図や勲章のようなもの、それに導火線のような黒い物体が描かれている。同じ年の作品《慰問袋に美人画を入れよ》と同様、満州事変を「一つの現実として」皮肉たっぷりに描いたもののようである。画家は《慰問袋に〜》について、「表現の常套を嫌ふが故に、私は馬の肛門を露出させるやうな暴挙をも敢てした」と述べている。本作品にもその「暴挙」がそのまま当てはまるであろう。

【作品】 水泳群像 / Group of Swimming 1935年

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題名/title: 《水泳群像》/ Group of Swimming
制作年
/date:
1935年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 192.0×260.0㎝?
所蔵
/collection
(所在不明)
Unknown
  本作品は1930年代前半の福沢の画業を考えるうえで大変貴重な作例なのだが、所在が確認できていない。強烈な色彩のコントラストとデフォルメされた奇怪な人物像は、この年に突如としてあらわれ、満州旅行の取材を活かした翌年の《牛》へとつながる。

【作品】 よき料理人 / A Good Cook 1930年

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題名/title: 《よき料理人》/ A Good Cook
制作年
/date:
1930年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス / oil on canvas
寸法/size: 79.5×115.0cm
所蔵
/collection
神奈川県立近代美術館
The Museum of Modern Art, Kanagawa
  第1回独立美術協会展特別陳列のひとつ。この作品には『楽しい科学』という子供向けの科学書の図版がいくつか引用されている。ただ画面右上の料理人だけは広告の類からイメージを採ったものと思われ、異質さがひと目で判る。エルンストのコラージュ・ロマンにおける異質なイメージの出会いを意識しつつも、つとめて意図的に図像を配置し、謎めいた画面づくりを探求しているさまがうかがえる。

【作品】 男(黄土に住む人) / A man (living in The Yellow Earth) 1943年

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題名/title: 《男(黄土に住む人)》/ A man (living in The Yellow Earth)
制作年
/date:
1940年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス / oil on canvas
寸法/size: 116.7×91.0㎝
所蔵
/collection
群馬県立富岡高等学校
Tomioka high school, Gunma
1939年末の中国旅行の際、黄土高原に生きる貧しい人々の姿に強い印象を受けた福沢は、翌年に本作品を制作し、同年の第1回美術文化協会展に出品している。その後本作品は彼の母校である富岡中学校(現在の富岡高等学校)に寄贈されるが、戦時中同校が陸軍中野学校によって接収された際「乞食のような男が目障りだ」という理由で物置に放り込まれてしまう。その後本作は校長室に飾られ、1997(平成9)年、同校の開校100周年を記念して修復された。

【作品】 洪水(B) / The Deluge(B) 1939年

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題名/title: 《洪水(B)》/ Group of Swimming
制作年
/date:
1939年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 194.0×259.0㎝?
所蔵
/collection
(所在不明)
Unknown
  独立美術協会展最後の出品作のひとつ。水辺のような風景にさまざまな動物が描き入れられており、右奥には人間の姿や舟らしき形も見える。美術雑誌に掲載された本人のコメントには「今年は洪水を二百号二枚に取扱つてみた。此圖はその一つであるが、甚だ意に見たぬもの」とある。

【作品】コメディ・フランセーズ(劇の一幕)/ Comedie Française 1927年

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題名/title: 《劇の一幕(コメディ・フランセーズ)》/ Comedie Française
制作年
/date:
1924(27)年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 88.0×114.0cm
所蔵
/collection
三重県立美術館
Mie Prefectural Museum of Art
  左下に年記とタイトル、サイン「-24/コメデイフランセーズ Fuku」とあるが、右上にもサインと年記「Fouk. -27」がある。所蔵館の蔵品目録では、この注記をしたうえで、1924年の作としている。軽い筆遣いや塗りの薄さから習作の意味合いが強いと思われるが、油彩画に本格的に取組み始めた頃の貴重な作例。

【作品】菜と葱 / Leaf beet and Poireau 1929年

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題名/title: 《菜と葱》/ Leaf beet and Poireau
制作年
/date:
1929年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 60.1×80.8cm
所蔵
/collection
 
  画面左に描かれている倉庫のような建物に「St Malo」の文字が見える。1929年頃ノルマンディー、ブルターニュを旅行した際の印象を描いたものか。

【作品】30歳の自画像 / Self-portrait at 30 years old 1928年

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題名/title: 《30歳の自画像》/ Self-portrait at 30 years old
制作年
/date:
1928年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 73.0×60.0cm
所蔵
/collection
 
  数少ない彼の自画像である。1929年5月25日付の実家宛書簡にて福沢が二科展出品のために実家に送った絵のリストの中に、「ジヨルジヨヌの構想を借れる自画像」という記述あり。彫像の頭部に手を掛ける独特なポーズは、ルネサンス期イタリアの夭折の画家ジョルジョーネ作といわれる《ゴリアテの首に手を掛けるダヴィデに擬した自画像》の銅版画模写を参照したと考えられる。

【作品】 骨董店 / Antiquaire 1929年

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題名/title: 《骨董店》/ Bretonne
制作年
/date:
1929年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 163.0×114.0cm
所蔵
/collection
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館
Tomioka City Museum/FUKUZAWA Ichiro Memorial Gallery
  モティーフと人物の奇妙な配置は、シュルレアリスム絵画への興味を匂わせるが、描き方は依然として中山巍らの近しい画家たちの影響が強い。極端に明るい色は一部後年の補彩と思われる。

【作品】ブルターニュの女(ブルトンヌ) / Bretonne 1927年

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題名/title: 《ブルターニュの女(ブルトンヌ)》/ Bretonne
制作年
/date:
1927年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 45.8×38.0cm
所蔵
/collection
(一財)福沢一郎記念美術財団
FUKUZAWA Ichiro Memorial Foundation
  もともとは女性の腰あたりまで描かれていたものが、いつしかトリミングされてこのサイズになったらしい。ブルターニュの民族衣装を着た女性は、ことさら美しく描かれることなく、こちら側をじろりと見つめている。