メールマガジン第11号(2015年9月15日発行)

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福沢一郎記念館 メールマガジン No.11
FUKUZAWA Ichiro Memorial Museum
— Setagaya,Tokyo
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■□■ 8月はメルマガをお休みしました ■□■
□■□   現在当館は、閉館中です   □■□
■□■ 次の開館は10月中旬の予定です ■□■

[1] 秋の展覧会「福沢一郎のヴァーミリオン」展
[2] ココで観られる福沢一郎作品
[3] コラム 福沢一郎の書架から(10)
[4] 賛助会員のお誘い

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[1]
□ 2015年秋の展覧会
 「福沢一郎のヴァーミリオン」展のご案内

「ヴァーミリオン(Vermilion)」とは、鮮やかな明るい赤色
の顔料、またはその赤色そのものを指すことばです。
今回は「ヴァーミリオン」ということばを「赤」を象徴するも
のと捉えて「赤」から福沢絵画の色彩に迫ってみようと思いま
す。
福沢一郎はしばしば「カラリスト」と評されてきました。とり
わけ赤の使い方はユニークで、ときに画面全体を覆い、ときに
上塗りの陰からちらりとのぞき、画面にさまざまな趣を与えて
います。
今回は、年代やテーマにかかわらず「赤」が印象的な福沢作品
を集めました。それぞれの「赤」の鮮やかさや面白さ、そして
そこに込められた意味を感じ取っていただければと思います。

会  期:10月16日(金)〜11月15日(日)の
     日・月・水・金曜日開館
開館時間:12:00〜17:00
観 覧 料:300円
講 演 会:「“赤”から読み解く福沢絵画」
     講師:伊藤佳之(当館学芸員)
     10月30日(金)14:00〜15:30

詳しくは当館ホームページをご覧ください。↓
https://fukuzmm.wordpress.com/2015/09/15/2015a_vermillion/ ‎

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[2]
□ ココで観られる福沢一郎作品
《虚脱》 1948年 油彩・カンヴァス
 116.7×90.9cm 群馬県立近代美術館蔵
 @「戦後日本美術の出発 1945-1955」
 群馬県立近代美術館

ゆらゆらと何か白いものがゆらめく空、丸みをおびてのっぺり
とした大地、そこに突っ込んでしまったような飛行機の残骸、
そして画面左に大きく描かれた人物。絵の中に描かれているの
はこの4つだけ。それらのどれもが、作品のタイトル「虚脱」
そのものという感じがします。しかし、ただ虚脱感だけが支配
する画面ではなく、何かぬきさしならないもの、緊張感のよう
なものも感じられます。
虚脱感と緊張感が同居するこの不思議な画面に相対したとき、
バランスを欠いたような奇妙な感覚にとらわれるのは、やはり
この作品が描かれた頃、つまり終戦直後の人々を苛んだ虚しさ、
先の見えない不安のようなものが捉えられているからではない
でしょうか。
終戦の翌年から、福沢は裸体群像によって混沌とした世相を多
く描いています。その最も象徴的な作品が《敗戦群像》(メル
マガ第2号でご紹介)とされています。《虚脱》は、その陰に
隠れて大きく取り上げられる機会はあまりないのですが、福沢
らしく時代を描ききった、魅力あふれる作品です。

展覧会「戦後日本美術の出発 1945-1955」は、戦後70年の節
目に、画家たちが終戦からどのように立ち上がったのかを、19
作家65点の作品によってたどるものです。松本竣介、井上長三
郎、杉全直、山下菊二など、福沢とゆかりの深い画家も多数取り
上げられています。
福沢作品は《虚脱》のほか、《ダンテ神曲より》(1946)、
《敗戦群像》(1948年)、《森の人間達》(1955年)の全4点
が展示されます。どうぞお見逃しなく。
会期は9/19(土)から11/3(火・祝)まで。
会期中のミュージアム・レクチャーも充実しています!
詳細は、こちらから↓

http://mmag.pref.gunma.jp/exhibition/japanese.htm

作品画像は、当館ホームページの「作品集」から。↓

https://fukuzmm.wordpress.com/works/

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[3]
□ コラム 福沢一郎の書架から(11)
 
木内克『随筆集 わたしのどろ箱』
 求龍堂 1971年

彫刻家・木内克は、1918(大正7)年、福沢が朝倉彫塑塾の門
を叩いたとき最初に出会った人物で、以来親しい関係が長く続
きました。特に若い頃パリで生活した際、ともに遊び、ともに
学んだようすが、写真や書簡などに残されています。
そんな木内が、福沢に献呈したこの本は、彼が折に触れ書きた
めた随筆をまとめたものです。ささやかで地味な印象の本です
が、しっかりとした装幀もさることながら、文章の洒脱さや、
ふと入り込む彫刻図版などの雰囲気の良さなど、著者の人柄が
随所にあらわれた好著といえるでしょう。
随筆の内容は、雑感めいたものから、彫刻にかける強い信念、
若き日のパリの思い出、妻やモデルへの思いなどさまざまです。
しかし、それぞれの随筆のなかに通底する、著者のしなやかな
視線と、ゆるやかな感情の起伏は、読者をじんわりと彼独特の
世界へいざないます。いつのまにか、穏やかな表情をして読者
に語りかける彫刻家のすがたが、眼前に浮かんでくるようです。
若き日をともに過ごした福沢もまた、この本を読みながら、木
内の人柄と制作にかける情熱を思い、交友の日々を懐かしんだ
ことでしょう。

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[4]
□ 賛助会員のお誘い

一般財団法人福沢一郎記念美術財団では、その美術振興活動を
より広範囲に、積極的にすすめるために、賛助会員を募ってい
ます。
一人でも多くの方に参加していただくことで、若い美術家の顕
彰、美術研究への助成など財団の活動が充実しますので、どう
ぞよろしくお願いいたします。

◯賛助会員の区分と会費
(1) 一般会員 3,000円(年会費)
(2) 維持会員 30,000円(年会費)
(3) 特別会員 300,000円(永久会員)

◯特典
(1) 福沢一郎記念館入館料無料
(2) 福沢一郎記念館ニュース送付
(3) 記念館主催の催し物に優先的にご招待

◯会費のお振込先
●郵便局振替口座 00190-2-695591
 福沢一郎記念館
●りそな銀行 祖師谷支店 普通口座 1000201
 (一財) 福沢一郎記念美術財団

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福沢一郎記念館 メールマガジン No.11
2015年9月15日発行
編集・発行 一般財団法人 福沢一郎記念美術財団

福沢一郎記念館

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