【イベント情報】講演会「『形』と色彩の競演 − 福沢絵画の造形性」報告

展覧会 「福沢一郎 face 展」 の関連イベントとして、講演会「『形』と色彩の競演 − 福沢絵画の造形性」が、10月31日(水)に開催されました。

講師は山形大学地域教育文化学部准教授の小林俊介さん。日本近代美術史の研究者であり、また画家でもあります。技法の観点から日本近代の絵画に迫る意欲的な研究を続けておられます。
今回は、そうした研究手法から福沢絵画の「造形性」に迫る刺激的なものでした。特にルーベンスの作品における色相対比による明暗の描出が、福沢の作品にも活かされているという指摘などは、作家としての体質の類似をしばしば指摘されるルーベンスの作品に、福沢がよく学んでいたことを示唆するものでした。
戦前の日本画壇デビューの頃から最晩年までの主要な福沢作品を、小林さんはこの講演会のために直に調査されたとのことで、非常に細かく福沢の筆の動き、意図的な塗り残し、色の使い方などを分析された講演は、我々聴講者にとって、福沢一郎絵画の理解に新たな目をひらくものでした。講演会の内容は来春の『記念館ニュース』に掲載予定です。

(2012年11月19日)