【展覧会】「PROJECT dnF」第10回 清水香帆個展、第11回 児玉麻緒個展

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福沢一郎記念美術財団では、1996年から毎年、福沢一郎とゆかりの深い多摩美術大学油画専攻卒業生と女子美術大学大学院洋画・版画専攻修了生の成績優秀者に、「福沢一郎賞」をお贈りしています。
この賞が20回めを迎えた2015年、当館では新たな試みとして、「PROJECT dnF ー「福沢一郎賞」受賞作家展ー」をはじめました。
これは、「福沢一郎賞」の歴代受賞者の方々に、記念館のギャラリーを個展会場としてご提供し、情報発信拠点のひとつとして当館を活用いただくことで、活動を応援するものです。

福沢一郎は昭和初期から前衛絵画の旗手として活躍し、さまざまな表現や手法に挑戦して、新たな絵画の可能性を追求してきました。またつねに諧謔の精神をもって時代、社会、そして人間をみつめ、その鋭い視線は初期から晩年にいたるまで一貫して作品のなかにあらわれています。
こうした「新たな絵画表現の追究」「時代・社会・人間への視線」は、現代の美術においても大きな課題といえます。こうした課題に真摯に取り組む作家たちに受け継がれてゆく福沢一郎の精神を、DNA(遺伝子)になぞらえて、当館の新たな試みを「PROJECT dnF」と名付けました。

今回は、清水香帆(女子美術大学大学院洋画専攻修了、2012年受賞)と、児玉麻緒(多摩美術大学油画専攻卒業、2008年受賞)のふたりが展覧会をおこないます。
ふたりは福沢一郎のアトリエで、どのような世界をつくりあげるのでしょうか。

なお、アトリエ奥の部屋にて、福沢一郎の作品・資料もご覧いただけます。


第10回
清水香帆「漂う光」

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《閃光》 2022年 油彩・キャンバス 91.0×72.7cm

架空の世界、異次元の景色。さまざまな想像をかきたてる清水の絵画は、抽象的な形態と鮮やかな色彩、そして大胆な筆のストロークによって形作られます。今回は「光」をテーマとして、近作を中心に展示します。

◯清水 香帆(しみず・かほ)
東京生まれ。2010年、女子美術大学芸術学部洋画専攻卒業、卒業制作賞。2012年、女子美術大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻洋画研究領域修了(福沢一郎賞)。2013年、「第1回損保ジャパン美術賞 FACE2013」入選。同年「トーキョーワンダーウォール公募2013」入選。2015年、「群馬青年ビエンナーレ2015」入選。2016年、「シェル美術賞展2016」入選。

近年の主な個展:
2018年 「果ての波」(KOMAGOME1-14cas、東京)/新世代への視点「清水 香帆展」(ギャラリーQ、東京)
2019年 「在るかたち」/「境を掬う」Creativity continues 2019-2020(いずれもRise Gallery、東京)
2020年 「辿る先」 Creativity continues 2019-2020(Rise Gallery、東京)
2022年 「柔らかい波」 Creativity still continues (Rise Gallery、東京)

近年の主なグループ展:
2016年 「三つの絵」(HIGURE 17-15 cas contemporary art studio、東京)
2017年 「Special Edition 2017」(Rise Gallery、東京)
2020年 「松本藍子+清水香帆」Creativity continues 2019-2020/「松本藍子+清水香帆+江原梨沙子+井上瑞貴+吉田秀行」Creativity continues 2019-2020(いずれもRise Gallery、東京)/「Collaboration Project Vol.3 MASATAKA CONTEMPORARY+RISE GALLERY」(Masataka Contemporary、東京)

◯作家のことば◯
夜道で見える灯のように、見上げた天井のシャンデリアのように、光は時に奥行きや距離を飛び越えてどきりとするほど目の前に迫ってきます。光、色、そして形。日々の生活の中で、あるいは広がる風景の中でふと眼前に現れるそれらは、私にとって謎に満ちていて魅力的なものです。中空に浮遊しながら果てを示す。彼方と此方を行き交い交わる。そんな揺れ動く感覚を含んだ絵を探っています。

会期:2022年10月27日(木)- 11月12日(土)
※木・金・土曜日開館 
13:00 – 17:00 観覧無料


第11回
児玉麻緒「Light falls」

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《light falls》 2022年 油彩・紙 77.5 × 53.3cm

植物や庭を制作のモティーフとして力強いタブローを制作する児玉は、2014年、クロード・モネが愛したジヴェルニーの庭を訪れ、その後の制作に大きな影響をうけたといいます。今回、児玉は福沢一郎が愛した自宅の庭に強く感じ入り、その場の空気感や季節の変化、植物のうつろいを自身に取り込んで制作をおこないました。「庭」を媒介として、画家どうしの時空を超えた対話が立ちあらわれます。

◯児玉 麻緒(こだま・あさお)
東京生まれ。2008年、多摩美術大学油画専攻卒業、福沢一郎賞。2010年、多摩美術大学大学院博士前期課程絵画専攻油画研究領域修了。2012年、「14th Flag Art 2010」最優秀、日比野克彦賞。同年ホルベイン・スカラシップ奨学生。2013年、Mercedes-Benz Fashion Week in Stockholm A/W 13において、フィンランドのマリメッコ社から自作をモチーフとしたテキスタイルが出展され、プロダクトとしても発売される。2015年、「第3回損保ジャパン美術賞 FACE2015」審査員特別賞。2019年、パリに滞在し制作(Cité internationale des arts)。再訪したジヴェルニーの庭で得た成果をもとに展示をおこなう。

近年の主な個展:
2016年 「project N 65 児玉麻緒」(東京オペラシティアートギャラリー)
2017年 「PLANT」(ANA インターコンチネンタルホテル東京アートギャラリー)

近年の主なグループ展:
2018年 「モネ それからの100年」(横浜美術館、神奈川/名古屋市美術館)
2020年 「Phase 2」(麻生邸、東京)/「Exploring」(銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM)
2021年 「FUJI TEXTILE WEEK 2021 織りと気配」(富士吉田市)
2022年 「石と花 石黒昭×児玉麻緒」(N&Aアートサイト、東京)

◯作家のことば◯
絵の具が絵の具でなくなる瞬間、私は絵画の光をみる。 雨の中、曇りの中、快晴の中、石はそこに佇み草花は生え重なり、時々の表情の移り変わりに庭という存在の光をみた。庭の光が、カンヴァスで巻き起こる歓びと葛藤と模索の先に見える光と重なる。 花に石に庭のように変化し在り続ける、生きる絵画で在りたい。

会期:2022年11月24日(木)- 12月10日(土)
※木・金・土曜日開館 
13:00 – 17:00 観覧無料


【展覧会】「PROJECT dnF」  第7回 中里葵「Repetition」、第8回 渡部未乃「Botanical garden」

福沢一郎記念美術財団では、1996年から毎年、福沢一郎とゆかりの深い多摩美術大学油画専攻卒業生と女子美術大学大学院洋画・版画専攻修了生の成績優秀者に、「福沢一郎賞」をお贈りしています。
この賞が20回めを迎えた2015年、当館では新たな試みとして、「PROJECT dnF ー「福沢一郎賞」受賞作家展ー」をはじめました。
これは、「福沢一郎賞」の歴代受賞者の方々に、記念館のギャラリーを個展会場としてご提供し、情報発信拠点のひとつとして当館を活用いただくことで、活動を応援するものです。

福沢一郎は昭和初期から前衛絵画の旗手として活躍し、さまざまな表現や手法に挑戦して、新たな絵画の可能性を追求してきました。またつねに諧謔の精神をもって時代、社会、そして人間をみつめ、その鋭い視線は初期から晩年にいたるまで一貫して作品のなかにあらわれています。
こうした「新たな絵画表現の追究」「時代・社会・人間への視線」は、現代の美術においても大きな課題といえます。こうした課題に真摯に取り組む作家たちに受け継がれてゆく福沢一郎の精神を、DNA(遺伝子)になぞらえて、当館の新たな試みを「PROJECT dnF」と名付けました。

今回は、中里葵(女子美術大学大学院版画専攻修了、2018年受賞)と、渡部未乃(多摩美術大学油画専攻卒業、2014年受賞)のふたりが展覧会をおこないます。
ふたりは福沢一郎のアトリエで、どのような世界をつくりあげるのでしょうか。

なお、アトリエ奥の部屋にて、福沢一郎の作品・資料もご覧いただけます。


第7回
中里 葵「Repetition」


《画一化する風景9》 2016年、91×91cm、水性木版/和紙
 

団地や大型マンションを思わせる建築物を真正面からとらえたイメージをもちいて制作する版画家・中里葵。まるで幾何学的な抽象絵画のようにもみえますが、その中には無個性、並列化、連続性といった都市と人間のありようが込められているようです。今回は近作を含め、これまでの制作を概観します。

 

◯作家のことば◯
私が「版画」という技法で作品を制作する意味は何か、と考えていました。
版画には他の絵画表現にはない様々な特質があります。〈版〉という〈型〉を一度作れば同一のイメージを複数生み出すことができたり、または色彩を変化させたり、層を重ねたり、様々なことができます。
そのような版画の特質から、無限に続いていくような作品や、展示空間に合わせて変形できる作品のような「版画」だからこそ生み出せる作品を模索しています。

2019年10月8日(火)-19日(土) 12:00 – 17:00  観覧無料
月曜休

※10月13日(日)の中里葵「Repetition」トーク&レセプションは、台風19号の影響を考慮し、中止とさせていただきます。
※ 当館は12日(土)に休館とさせていただきます。 15:00 – 17:00


第8回
渡部未乃「Botanical garden」


《Overlap XV》 2019年、194.0×130.5cm、油彩・キャンバス
 

渡部未乃の作品には、風景や植物を連想させるものが多くあります。抽象化されて普遍的な「絵画」へ進む途上、画面は理智と感性のはざまで揺れ動きながら、輝きを獲得していくようです。今回はこの個展のために制作した最新作のほか、植物のイメージから派生した絵画を中心に構成し、作家の新たな可能性をさぐります。

 

◯作家のことば◯
植物の形からドローイングを重ね、要素を削ぎ落とし抽象化した形を描いている。その際に自身の感情やモチーフの意味も取り除いていく。
絵と私の間に繰り返される対話により作品は徐々に自身から離れ、私のものでも誰のものでもなくなっていく。見る人によって様々な見方ができるような、自立した絵画を目指している。

2019年10月29日(火)- 11月9日(土) 12:00 – 17:00  観覧無料
月曜定休
ギャラリートーク、レセプション 11月2日(土) 15:00 – 17:00


【展覧会】「PROJECT dnF」第3回 広瀬美帆「わたしのまわりのカタチ」、第4回 寺井絢香「どこかに行く」

 

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福沢一郎記念美術財団では、1995年から毎年、福沢一郎とゆかりの深い多摩美術大学油画専攻卒業生と女子美術大学大学院洋画専攻修了生の成績優秀者に、「福沢一郎賞」をお贈りしています。
この賞が20回めを迎えた昨年、当館では新たな試みとして、「PROJECT dnF ー「福沢一郎賞」受賞作家展ー」をはじめました。
これは、「福沢一郎賞」の歴代受賞者の方々に、記念館のギャラリーを個展会場としてご提供し、情報発信拠点のひとつとして当館を活用いただくことで、活動を応援するものです。

福沢一郎は昭和初期から前衛絵画の旗手として活躍し、さまざまな表現や手法に挑戦して、新たな絵画の可能性を追求してきました。またつねに諧謔の精神をもって時代、社会、そして人間をみつめ、その鋭い視線は初期から晩年にいたるまで一貫して作品のなかにあらわれています。
こうした「新たな絵画表現の追究」「時代・社会・人間への視線」は、現代の美術においても大きな課題といえます。こうした課題に真摯に取り組む作家たちに受け継がれてゆく福沢一郎の精神を、DNA(遺伝子)になぞらえて、当館の新たな試みを「PROJECT dnF」と名付けました。

今回も昨年に続き、ふたりの作家が展示をおこないます。広瀬美帆(女子美術大学大学院修了、2000年受賞)と、寺井絢香(多摩美術大学卒業、2012年受賞)です。
ふたりは福沢一郎のアトリエとで、どのような世界をつくりあげるのでしょうか。

なお、アトリエ奥の部屋にて、福沢一郎の作品・資料もご覧いただけます。


第3回
広瀬美帆「わたしのまわりのカタチ」 ※終了しました

ときに柔らかく、ときにヴィヴィッドに、いつもすぐそばにある身近なものたちを描く広瀬の制作は、確かな観察眼と、モティーフへの愛着に裏打ちされています。
画家の身近な「カタチ」の数々が、福沢一郎のアトリエいっぱいに広がります。

9月30日(金)- 10月12日(水) 12:00 – 17:00  観覧無料
木曜定休
ギャラリートーク、レセプション 10月8日(土) 15:00 – 17:00

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広瀬美帆 《マスクメロン3個入》  2016年 油彩・マゾナイト 72.7×50.0cm

 


第4回
寺井絢香「どこかに行く」

学生時代から「マッチ棒」をモティーフに描き続ける寺井の制作は、モティーフに縛られているかと思いきや驚くほど自由で、絵画の可能性にあふれています。今回の展示は新作を中心に、その絵画世界を押し広げる試みとなります。

作家公式ホームページ http://teraiayaka.jimdo.com/

10月21日(金)- 11月2日(水) 12:00 – 17:00  観覧無料
木曜定休
ギャラリートーク、レセプション 10月29日(土) 15:00 – 17:00

 

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寺井絢香 《とある冷たい日》 2014年 油彩・パネル 162.0×130.3cm