【作品】寡婦と誘惑 / Widow and Temptation 1930年

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題名/title: 《寡婦と誘惑》/ Widow and Temptation
制作年
/date:
1930年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 130.3×162.0cm
所蔵
/collection
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館
Tomioka City Museum/FUKUZAWA Ichiro Memorial Gallery
  第1回独立美術協会展特別陳列のひとつ。この作品も『ラ・ナチュール』という科学雑誌の図版をもとに構成されている。画面の大部分を占めるイメージは「パリのテアトロフォン中央局」の図版。「テアトロフォン」とはパリ市内の劇場公演をホテルやカフェ等にいながら楽しめる通信装置。

【作品】Poisson d’Avril(四月馬鹿) 1930年

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題名/title: 《Poisson d’Avril(四月馬鹿)》/ April Fool
制作年
/date:
1930年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 80.3×116.5cm
所蔵
/collection
東京国立近代美術館
The National Museum of Modern Art, Tokyo
  マックス・エルンストのコラージュ・ロマン『百頭女(La femme 100 têtes)』に強い影響を受けて描かれたと思われる、第一回独立美術協会展特別陳列作品のひとつ。フランスで刊行された『楽しい科学』という子供向けの科学書からイメージを引用している。

【作品】 セントラル・パークにて / At the Central Park 1965年

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題名/title: 《セントラル・パークにて》/ At the Central Park
制作年
/date:
1965年
技法・材質
/materials:
アクリル・カンヴァス/ acrylic on canvas
寸法/size: 130.3×102.5cm
所蔵
/collection
福岡県立美術館
Fukuoka Prefectural Museum of Art
  1965年の北米滞在期に描かれた作品は、公民権運動や貧困など、当時のアメリカが抱えていた社会的テーマと、そこに生きる人々に強い関心が向けられた。しかし一方、彼は本作品のような、明るくほのぼのとした作品も生み出している。これは初孫の誕生という明るいニュースのゆえでもあり、自由の国アメリカで感じた親しい人々への信頼のゆえでもあろう。。

【作品】 陽なたの観衆 / Audience in a sunny place 1978年

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題名/title: 《陽なたの観衆》/ Audience in a sunny place
制作年
/date:
1978年
技法・材質
/materials:
アクリル・カンヴァス/acrylic on canvas
寸法/size: 181.8×227.3cm
所蔵
/collection
福沢一郎記念美術財団 / FUKUZAWA Ichiro Memorial Foundation

  福沢は闘牛場の中だけでなく、その観衆にも目を向けた。じりじりと太陽が照りつける陽当たりのいい席でうごめく人々の熱気は、白地に黒の描線というシンプルな方法で、画面に大胆に焼き付けられている。

【作品】 闘牛 / Bullfight 1978年

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題名/title: 《闘牛》/ Bullfight
制作年
/date:
1978年
技法・材質
/materials:
アクリル・カンヴァス/acrylic on canvas
寸法/size: 181.8×227.3cm
所蔵
/collection
 

  真っ赤な画面に黄色や緑、灰色がアクセントとしてちりばめられ、そこに闘牛の一場面が描かれている。彼曰く「線の面白味を生かす事を主にして」いるため、黒い描線で力強く描かれた闘牛士や牛じたいに彩色が施されることはほとんどない。赤を基調とした画面作りは闘牛の連作の特徴であり、闘牛場の熱気や迫力を想起させるものである。

【作品】 プラカードを持つ女 / Woman with a Placard 1965年

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題名/title: 《プラカードを持つ女》/ Woman with a Placard
制作年
/date:
1965年
技法・材質
/materials:
アクリル・カンヴァス / acrylic on canvas
寸法/size: 97.0×130.3cm
所蔵
/collection
群馬県立近代美術館
Museum of Modern Art, Gunma
  福沢は約三ヶ月間のニューヨーク滞在の間、カメラを片手に町の様子を観察し、写真を撮っては制作に活かしている。彼の写真にはハーレムの古びた建物を写したものが多く、特に非常階段が不格好に張り付いた建物の側面に興味を持っていたことがわかる。本作品にも非常階段のある背の高い建物が、プラカードを掲げる女性と対になるように描きこまれている。

【作品】 憂川(ダンテ神曲地獄篇による幻想より) / Sorrowful Stream (Fantasy from The Inferno) 1946年

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題名/title: 《憂川(ダンテ神曲地獄篇による幻想より》
/ Sorrowful Stream (Fantasy from The Inferno)
制作年
/date:
1946年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 45.3×52.8cm
所蔵
/collection
板橋区立美術館
Itabashi Art Museum
  「憂川」とは、ダンテ『神曲・地獄篇』における「三途の川」アケロンテのことと思われる。戦後の混沌とした世相をかの文学作品からの幻想として描くシリーズは、1946年12月の日動画廊の個展において発表され、彼の健在をアピールすることになった。

【作品】 世相群像 / Group of figures in the postwar days 1946年

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題名/title: 《世相群像》/ Group of figures in the postwar days
制作年
/date:
1946年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス/oil on canvas
寸法/size: 130.3×162.1cm
所蔵
/collection
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館
Tomioka City Museum / FUKUZAWA ICHIRO Memorial Gallery
  終戦の翌年に描かれた大作。画面中央の瓦礫の山のような構造物を軸として展開するパノラマ的な画面構成は、戦争画を描くなかで会得したもののようである。画面下辺の白髪で眼鏡をかけ、真っ白な書物を持った人物は、戦時中に自由な思想・表現を奪われた文化人、あるいは福沢自身の姿か。

【作品】 トイレットペーパー地獄 / Toilet Paper Hell 1974年

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題名/title: 《トイレットペーパー地獄》/ Toilet Paper Hell
制作年
/date:
1974年
技法・材質
/materials:
アクリル・カンヴァス/acrylic on canvas
寸法/size: 181.8×227.3cm
所蔵
/collection
群馬県立近代美術館
Museum of Modern Art, Gunma
  日本と西洋の地獄を描いた福沢は、同時に現今の世情と地獄図を重ねる。本作品は1973年の第一次オイルショックの際、トイレットペーパーの買いだめに走る人々を揶揄したもの。「(本作品では)尻ふき紙の欠乏で狂奔した人達をえがいたが、こんなことが再び起こるかも知れない昨今である。その際諷刺は一層痛烈なものになる筈だ」と彼自身が述べるとおり、シニカルで諧謔味たっぷりな、福沢の本領が発揮された作品である。

【作品】 闘牛 / Bullfight 1978年

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題名/title: 《闘牛》/ Bullfight
制作年
/date:
1978年
技法・材質
/materials:
アクリル・カンヴァス/acrylic on canvas
寸法/size: 181.8×227.3cm
所蔵
/collection
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館
Tomioka City Museum / FUKUZAWA Ichiro Memorial Gallery
  1978年夏、福沢はスペインに旅行して闘牛を観覧し、帰国後そこで得たイメージをもとに制作する。当時の雑誌記事で「この頃何やら獣性なるものに執着を覚える」と語る彼は、筋骨隆々とした牛の姿に強い興味を持ち、太い線で力強くその躍動を描いた。