《悪のボルテージが上昇するか21世紀》1986年 197×333.3cm
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館蔵
このたび、福沢一郎記念館では、秋の展覧会として「福沢一郎が見た人間の過去・現在・未来」展を開催いたします。
福沢一郎が生涯に描いたモティーフは実に多岐にわたっています。聖書やギリシャ神話、日本の神話など我々人間の過去を語るテーマも彼が好んで描いたものの一つです。また自ら生きた時代の世相を描くことにも大変興味を持ちました。社会批判や諧謔の目で描いた作品が沢山残っています。そして未来。福沢は1898(明治31)年生まれ。19世紀の最後に生を受け、20世紀の大半を生き抜き、本人自身は21世紀まで足を踏み入れる、つまり3世紀にわたってこの世界を見届けるという願望を持っていました。1986年に描いた《悪のボルテージが上昇するか21世紀》には彼のそんな心情が伝わってくる気がします。
かつてゴーギャンは《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》と名付けられた代表作とも言うべき作品を残しています。ゴーギャンの場合、この3つの問いにたいして啓示を与えてくれるものは“神”であると自ら語っています。福沢一郎の3つの視点をつなぐものは間違いなく人間に対する深い関心と愛着であると思われます。今回の展示では大作《悪のボルテージが上昇するか21世紀》を中心に、福沢一郎のスケールの大きい世界をご覧いただきます。
この機会に、ぜひお出かけください。
会 期:10月15日(金)〜12月1日(水)11:00-17:00 月・水・金開館
※ 11月3日(水)は祝日ですが開館します。
入館料:300円
※講演会開催のお知らせ
「福沢絵画研究所」とその時代
講師:弘中智子氏(板橋区立美術館学芸員)
日時:10月27日(水) 14:00〜15:30
場所:福沢一郎記念館
会費:1,000円
※要予約/先着40名様(FAXも可)
<お問い合わせ:お申し込みはこちらまで>
TEL. 03-3415-3405 / FAX. 03-3416-1166