【展覧会】「PROJECT dnF+」山内隆「巡礼。2014−2022」2022.9-10

10月1日(土)20:30より、作家によるオンライントーク「巡礼。ぼくが見てきたもの」を開催します。詳しくは →こちら

福沢一郎記念館では、2014年から継続している「福沢一郎賞」歴代受賞者の方々のための企画「PROJECT dnF」を拡張する試みとして、「PROJECT dnF+」をはじめます。
これは、福沢一郎にゆかりのある方、福沢の制作とひびきあう独自の試みをおこなっている方など、当館で意義ある展覧会を開催してくださる方に、当館を展覧会場としてご提供するものです。
今回は、山内隆(女子美術大学教授)が、「巡礼」をテーマに展覧会をおこないます。

近年、巡礼路を辿ることを制作の糧としてきた山内は、昨年福沢一郎著の画文集『秩父山塊』(1944年)に強い関心を示し、それがこの展覧会の種となりました。彼は秩父の山々を注意深く観察し、そこに生きる人々の様子とともに淡々と描きとめた福沢のすがたを、自らの歩みと重ね合わせたのだといいます。
自身の歩みによって過去と現在を結び交感する制作の断片は、福沢一郎のアトリエでどのような景色を切り拓くのでしょうか。


《あるたてもの/出津/長崎》2022年 木材・塗料 h134.4×w64×d46cm

—– 2013年、ポーランドの強制収容所を訪れて以来、絶対的な死の現場に立つ機会を多く持つこととなった。なかでも長崎外海および五島列島の教会群とその周辺の営みに対し、人間が持つ表現に向けた根源的な欲求の部分に深く感じ入り、場を描き留めなければならない特殊な衝動を得た。以後、国内のカトリック教会をめぐる旅を重ね、その旅はスペインの巡礼路の踏破に至り(フランス人の道、ポルトガルの道)、現在「北の道」の踏破を継続中である。長崎のスケッチは発表を前提とせずノートの表裏に描き、スペインの巡礼路では荷物の軽量化のため最低限の色鉛筆と紙に描きとめていった。これらの有るき描きことに没入した、真空のような期間を過ごすことで、あらためて自分の制作の根源が「祈りや奉拝」であることを確信した。

山内隆

山内 隆(やまうち・たかし)

1968 岐阜県生まれ
1993 東京藝術大学 大学院美術研究科 壁画専攻 修士課程 修了
1996 東京藝術大学 大学院美術研究科 油画専攻 満期退学
1996-1999 東京藝術大学 助手
1999 – 現職
2017-2018 ウィーン応用美術大学 Institute of Fine Arts & Media Art Sculpture and Space 研究生

最近の主な個展歴
〈個展〉
2022.6 「山内隆展 巡礼。何処/其所」(iGallery DC 山梨、笛吹市)
2022.3 「山内隆展 巡礼。そらより」(ギャラリー広田美術 東京、銀座)
2018.1 研究発表展示 Wien / Sculpture and Space / exhibition room
2017.11 Unter Sternen Germany / Solingen
2017.9 Takashi Yamauchi Open Studio – Point – JOSHIBI Residency ( Kunstraum Kreuzberg / Bethanien )



◎展覧会 会期:
2022年9月29日(木)-10月15日(土) の 木・金・土曜日開館
13:00 – 17:00  観覧無料

◎イベントのお知らせ
オンライントーク「巡礼。ぼくが見てきたもの」

2022年10月1日(土) 20:30〜 22:00(予定)
オンライン会議システム「Zoom」を使用 参加無料

◇ 作家が近年取り組んでいる「巡礼の路」をたどる旅、そこで得たもの、感じたこと、そしてそこからつながる近年の制作活動について、画像をまじえて語ります。
◇ 参加ご希望の方はこちらのリンク または以下のQRコードから、参加申込フォームにお進みいただき、必要事項にご記入のうえ送信してください。
◇ 定員を大幅に超過した場合、受付を終了いたします。あらかじめご了承ください。