【作品】 水瓜を持つ男 / Man with a Watermelon 1955年

1955_a_watermelonman

題名/title: 《水瓜を持つ男》/ Man with a Watermelon
制作年
/date:
1955年
技法・材質
/materials:
油彩・カンヴァス / oil on canvas
寸法/size: 130.3.0×97.0cm
所蔵
/collection
群馬県立近代美術館
Museum of Modern Art, Gunma
  1955年、つまり福沢が中南米旅行から帰国した翌年の作品である。この頃制作された「中南米シリーズ」には、パブロ・ピカソの影響がしばしば指摘される。1951年に開催されたピカソの大規模な個展は、1920年代のパリで発見したピカソ作品のちからを再認識させる契機となったのかもしれない。そして、中南米旅行で得た原初的な生命感を放つ人々のイメージと重なり、戦中から戦後にかけて失われていた、彼本来の力強い絵画を取り戻すことに成功したのではないだろうか。
翌年の《狩猟》ほど画面構成は洗練されておらず、旅行以前の作画から大きく変貌を遂げる道半ばという印象を受ける。画面との格闘のなかで、ピカソの再発見が、彼にとって大きな意味を持っていたと想像される。